私鉄に乗るョ!

美濃赤坂支線を1往復したら、お次は樽見鉄道の初体験です。美濃赤坂での散策が長引いたので、終点の樽見までの乗車を断念し、途中の本巣で折り返すことに。樽見鉄道は元々国鉄樽見線だっただけに、大垣駅はJRに間借りしています。8〜16時にかけては切符売り場も開いているので、そこで補充券タイプの切符を買うことが出来ます。


ホロ:「樽見鉄道の乗り場はJRの駅にあるのに、切符売り場はホームにしかないんじゃが…?」
駅長さん:「それなら駅の切符売り場に自動券売機があるし、JRからの乗り換え客も車内で精算できるから大丈夫」

ちょうど入線している本巣行きに乗ると、程なく発車時刻となります。発車してしばらくは東海道本線に沿って進み、揖斐川の手前で別れるとすぐに東大垣駅に到着です。ちょうど東海道本線には名古屋と富山を結ぶスプリンター・「しらさぎ」が駆け抜けていきますが、こちら樽見鉄道は我関せずといった感じで乗客を降ろしていきます。レールバスには不釣り合いな揖斐川のトラス橋を渡り、田園地帯をノンビリ走って約30分で終点の本巣に到着です。

 
左:なぜか構内には長良川鉄道レールバスが。wikiってみたところ、樽見鉄道の車両が事故に遭ってその修理が終わるまで借り入れているそうです
右:同じく構内には、もう走ることのない14系客車とトロッコ客車が…。

ホロ:「なんじゃ、アノ小さい煙突みたいなのは?」
駅長さん:「あれは“給水塔”といって、SLが走っていたころの名残だ。あの塔からSLのボイラー用の水を給水していたんだ」

本巣は樽見鉄道の中枢部の駅で、車両基地が備わっています。構内は意外と広いですが、片隅には14系客車が朽ち果てる寸前の状態で置かれています。まだ三セクになったばかりの頃は朝夕の通勤時間や春先の薄墨桜のシーズンに客車列車が走っていたと聞きますが、色あせた14系客車を見ると侘びしさが募るばかりです。本巣の駅構内を外周の通りから一通り見て回り、大垣行きのレールバスに乗って再び大垣に戻ります。行きはセミクロスシート車でしたが、帰りはオールロングシート車で、こう見るとバスそのものの車内です。徐々に乗客を増やし、終点の大垣に到着です。樽見鉄道の列車はワンマン運転なので降りるときに運賃精算をしなければなりませんが、列車を降りると駅員氏が降車駅証明を手渡してくれます。これで樽見鉄道の運賃精算は済んでいるという事で、大垣駅では自動改札を通れるという寸法です。
遅めの朝食を食べ、お次は訳ありで四日市へ向かいます。18きっぷがあるのですが、ここは敢えて養老鉄道に乗って桑名まで出ることに。元々は近鉄養老線でしたが、経営分離されて養老鉄道として再出発しています。電車自体は近鉄時代のままで、ワンマン対応になっていますが、運賃箱を取り付けたくらいで各駅で全ドアが開いてしまうという大雑把な作りになっています。電車は田園風景のなかを淡々と進み、確かにこれは経営が厳しそうな感じです。また、データイムはサイクリングトレインということで自転車の持ち込みができるようになっています。で、濃飛平野の片隅を約1時間かけて、終点の桑名に到着です。

 
ホロ:「こっちの電車は情熱的な赤色じゃの」
駅長さん:「赤って言うより茶色に近い感じかな?元々は近鉄養老線だったのが経営分離されたんだけど、近鉄グループだからこの赤色で走っているんだ。あと一本だけオレンジ色の車両もあるぞ」