最果て新幹線で熊本へ

(このエントリーは30日に綴りました)
最南端の指宿枕崎線鹿児島中央に到着したら、続いては九州新幹線に乗って熊本に戻ります。九州新幹線は開業前の試乗会に運良く当選したことがありますが、それ以来の乗車になります。今の九州新幹線の肝と言える新八代の同一ホーム乗り換えも体験しましたが、あの時は800系と811系の乗り換えだったので、「つばめ」と「リレーつばめ」の乗り換えは初めてになります。また、この乗り継ぎの際に発行される指定券が2列車分を1枚にまとめた形になっている、珍しい様式の切符になっているので、これもコレクションに加えておきたいところです。


ホロ:「これが九州新幹線の800系か。かっこいいデザインじゃの」

ホロ:「ここが本当の新幹線の最南端なんじゃな」

「駅長さん」の乗る「つばめ54号」は13番線から発車しますが、その前に12番線側のホームに上がってホーム進入を狙います。遠くからHIDライトが見え始め、最後のトンネルをくぐると「つばめ」が鹿児島中央駅に入線します。ホームの1号車側の先には車止め標識があり、ここが新幹線網の最南端であることを表しています。考えてみれば、新幹線の駅で完全に終端になっているのって、ここ鹿児島中央駅だけではないかしら?東北側だと基本的に札幌まで延びる予定だし、上越側は新潟駅の先に車両センターへの線路が伸びているし…*1。「つばめ54号」は12分の折り返し時間で発車するので、撮影は何気に時間との闘いです。一通り写真を取っていると、自由席には高校生が乗り込む姿が…。いやはや、新幹線通学とはうらやましい限りです。


ホロ:「お、800系が休んでおるぞ」
駅長さん:「ここは川内の車両基地だ。九州新幹線が全線開通すると、熊本にある基地がメインになるようだが、この川内の基地も残るようだ」

発車時刻になり、「つばめ54号」は新八代に向けて発車します。乗ってしまえば45分の道のりで、かつトンネルの多い区間なので在来線時代に比べると車窓を愛でる楽しみは半減といったところでしょうか?それでも八代海に浮かぶ天草の島々も見え、ちょうど夕暮れ時でもあったのでちょっとしたクルージング気分でした。
前の日に通った球磨川肥薩線を渡れば、「つばめ」の終点である新八代に到着します。到着すると、隣のホームには「リレーつばめ54号」が待ち構えていて、ほぼすべての乗客が乗り換えて行きます。「駅長さん」はと言えば、1本後の「リレーつばめ16号」に乗るべくホームで待機します。いや、こうしないと「つばめ」と「リレーつばめ」の並びが撮れないもんで…。この画期的な新在同一ホーム乗り換えも来年3月には解消されるので*2、じっくり観察してみると、下り線の待避線のスペースを在来線乗り入れ用にしているようです。ということは、来年の本開業の時は一晩で線路切り替えとかやってのけるんですかね?

 
ホロ:「新八代に着いたのぉ。やはり殆どの乗客がリレーつばめに乗り換えるんじゃな」
駅長さん:「まあ、そうだね。鹿児島と博多を結ぶメインルートだからね」
ホロ:「ここが在来線から繋がっている線路じゃな。この線路が画期的な乗り換えを実現させたんじゃな」
 
ホロ:「左が新幹線“つばめ”の800系で、右が“リレーつばめ”の787系じゃ。新幹線の方はこれからも活躍するじゃろうが、787系はどうなるのかや?」

新八代では「つばめ」・「リレーつばめ」ともども折り返し時間に余裕があり、どちらもゆっくり観察できました。この乗り換えの3分を除けば結構のんびりした駅です。で、1本後の「つばめ16号」が到着し、何とか「つばめ」と「リレーつばめ」の並びを取ることができ、「リレーつばめ16号」に乗って熊本に向かいます。
熊本からはリムジンバス→SNA→赤い電車と乗り継ぎ、台風14号の影響を受ける間にお家に帰りついたのでした。

*1:山形と秋田は在来線扱いなので除外

*2:近いうちに上越新幹線新潟駅がこうなるとか?

いざ、最南端へ!

と言うわけで、寒いところですが「駅長さん」の南九州旅行も最終日となりました。今日はJR最南端を目指します。ただ残念なことに、帰りの飛行機の都合もあるので、バスで枕崎に入ってそこから指宿枕崎線を上るかたちになります。最南端の駅である西大山駅には降り立つことが出来ませんが、調べたところ2分ほど停車時間があるので、簡単な記念写真くらいは撮れそうです。
それでは、行ってきま〜す!!

のんびりバスの旅

さて、鹿児島から枕崎への移動は路線バスで向かいます。鹿児島中央駅から鹿児島交通のバスに乗ります。普通便と特急便の二つの種別がありますが、乗ったのは普通便なので枕崎まで全停留所に止まりつつ、約2時間の道のりです。平日の午前便なので乗客の年齢層は高めですが、その割には高い年齢層にもICカードが普及していて、乗り降りの際にタッチする姿を見かけました。


指宿までは鹿児島交通のバスで移動します。いわゆる岩崎グループの路線バスは白色がベースのシンプルなカラーリングです

市街地を外れ、ほぼ同時刻を走ってきた知覧特攻入口行きのバスと分かれを告げると、峠越えになります。山をグングン登ると、あっという間に鹿児島の市街が眼下に広がります。途中の乗り降りも結構ありましたが、鹿児島から乗り通したのは数人だけでした。
枕崎といえば鰹というわけで、駅から約20分の「かつお公社」に行ってみることに。ここには鰹節の工場が併設されていて、その作業を見ることが出来ます。冷凍された鰹を電動ノコギリで解体し、よく見る鰹節の形に整えていきます。で、せっかくなのでお土産を買おうかなと思いますが、さすがに一人暮らしで鰹節も持て余すので*1、スライスすれば食べられるしょうゆや味噌漬けの鰹節を買ってみました。これなら、昨日買った「メイドのみやげ」焼酎にも合いそうです。ちょうどお昼になったので、何を食べようかと考えて「かつおラーメン」を食べてみることに。鰹節のダシが効いたスープに鰹のチャーシューが入っていて、美味しく頂きました。


ホロ:「おー、ここが最南端の終着駅じゃな?東京から約1500km、はるばる来たのぅ」
 
ホロ:「このあたりは漁業が盛んのようじゃが、何が取れるのかや?」
駅長さん:「枕崎はカツオで有名なんだ。鰹節はもちろん、カツオ料理がおいしいぞ」
ホロ:「なんと、カツオか!さっそく食べに行こうぞ!!」

さて、このあとはJR最南端の旅ですが、続きは後ほど!

*1:そもそも削る鉋が無いわ

最南端の鉄路をガタゴトと

さて、かつおラーメンでお腹を満たし、続いて指宿枕崎線に乗ります。この指宿枕崎線は鹿児島から見て途中の山川までは本数が多いのですが、その先は極端に本数が減ってしまいます。なのでプランニングに苦労し、当初は下りに乗って西大山でいったん降りて、1時間半後の下りで枕崎を目指すプランでしたが、これだと枕崎で時間が取れず、鹿児島中央での新幹線への乗り継ぎと熊本での飛行機乗り継ぎに余裕がなくなってしまいます。その後の調べで昼間の列車は西大山で2分止まるのが判明したので、バスで枕崎入りし、散策したあと指宿枕崎線に乗るプランに変更したのでした。これなら鹿児島中央や熊本の乗り継ぎも余裕が出来ます。


ホロ:「えーっと、駅の入口はどこにあるのかや?」
駅長さん:「うん、そこのラーメン屋のところに細い道があるだろ。そこが駅の入口だそうだ」

ホロ:「なんと!列車が1日6本しか来ないのかや!」
駅長さん:「そうだね。だから、列車でこの駅に来るにはしっかりと計画を立てないとダメなんだ」


ホロ:「“JR日本最南端”とは微妙な表記じゃな?」
駅長さん:「確かに昔は本当の最南端の駅だったんだが、沖縄にゆいレールが出来て赤嶺駅が最南端の駅になったんで、“JRで繋がっている”最南端の駅として表記されているようだ」

キハ47の2両編成の列車は、ワンマン運転ということもあって前の車両に乗客が集中しています。そうは言っても、2両で20人ちょっとしか乗っていませんが…。枕崎を発車すると、列車は縦横無尽に揺れながら走ります。座席にバネが効いているせいもあって、その揺れが増しているのかもしれません。また、沿線は草木が繁り、時折車体にバチバチと当たっています。そんな草木の隙間からは、遠くに開聞岳が見えます。「駅長さん」は後ろの車両に乗ったのですが、降りる人はいても乗る人はいないようです。

 
ホロ:「こういう最果ての駅には、ちょっと古めかしい車両の方が似合うのぉ。お、ここに座るとちょうど駅名標と一緒に撮れるそ。早く撮ってくりゃれ」
 
ホロ:「あの遠くに見える山は?」
駅長さん:「あれは開聞岳といって、きれいな山の形から“薩摩富士”とも呼ばれているんだ」
ホロ:「1時間ちょっとで、結構大きくなってきたぞ」

ホロ:「ここが最南端の駅・西大山駅じゃな。無人駅だから駅前には何もないが、それがまた最果てな感じを醸し出しておるのぉ」

ホロ:「さっきまで前に見えていた開聞岳が、ここでは列車の後ろ側に見えるんじゃな」

ホロ:「上り列車なら、車内から最南端の駅の碑を撮ることも可能じゃ」

西頴娃駅で下り列車と交換すると、さっきまで遠くに見えていた開聞岳が大きくなってきました。開聞岳を真横に望む開聞駅を出ると、次は西大山です。時間通りに到着すると、車で来ていると思しき観光客がいて、撮影会が始まります。列車の乗客も短い停車時間を駅名標や最南端の碑を撮影するのに余念がありません。2分の停車時間ののちに発車すると、程なく終点の指宿に到着します。
指宿からは「リリカルなのはなDX6号」に乗り換えますが、その前に枕崎からの運賃精算をします。今回の「霧島・指宿のんびりきっぷ」のフリー区間に指宿〜枕崎間が含まれていないのはちょっと残念です。精算を済ませ、「なのはな」の席に座ります。車内のイメージは昨日乗った「いさぶろう」や「はやとの風」と同じですが、こちらは新しいキハ200形をベースにしています。発車するとこれまでの東シナ海から錦江湾に風景が代わり、より海に沿って進みます。喜入を出た辺りで巨大な石油備蓄基地を望み、快速区間の終わる坂の上では多くの乗客が待ち構えていました。ま、さすがに指定席には乗って来ませんでしたが…。鹿児島中央到着前に鹿児島総合車両所を横目にし、軽やかに鹿児島中央駅に滑り込んだのでした。

 
ホロ:「今度はまた洒落た列車で移動じゃ」
駅長さん:「観光地・指宿に向かう観光列車として走っている「なのはなDX」だよ。この車両だけは普通の車両よりも観光客に特化した造りになっているんだ」

ホロ:「海の向こうに見えるアレはなんじゃ?」
駅長さん:「アレは喜入の石油備蓄基地で、あそこだけで日本で使う石油の2週間分を貯め込んでおけるそうだ」