まるでタイムスリップ

さて、『さよなら「富士・はやぶさ」ツアー』の3日目です。メインイベントである「はやぶさ」は熊本15時57分発なので、そこまでフリータイムとなります。そこで、熊本電気鉄道に乗りに行くことに。…って、昨夜の段階では熊本電鉄の前にも市電か三角線でもと考えましたが、時間的余裕を考えて熊本電鉄一本に絞ったのでした。
というわけでホテル最寄りの辛島町から市電に乗って約10分、上熊本駅に到着です。ここからお目当ての熊本電鉄に乗り換えます。まだ時間があるようなので、ちょっとばかり市電の撮影をしていましたが、この上熊本駅夏目漱石が熊本赴任の際に降り立った駅のようです。そのせいか、JR側は新幹線工事の影響でプレハブづくりですが、市電側は大正2年建築の古い駅舎が使われています。


正面から見ると立派な駅舎に見えますが、この裏は市電のホームがあるので、ドリフのコントに出てくるような造りになっています。

一方の熊本電鉄上熊本駅ですが、こちらはかなり質素です。JR駅と国道に挟まれた僅かなスペースに、プレハブに毛が生えたような駅舎が建っています。遠く踏切が「チンチンチン…」と懐かしい鐘の音を響かせると、北熊本からの電車が到着です。この電車は、昔は東急線で活躍した旧5000系、いわゆる「青ガエル」です。両運転台に改造されたため一方は平面に強引に運転台を付けた感じですが、もう一方は青ガエルの面影が残っています。車内もワンマン運転用の機器がある他はそのままで、吊革には全く熊本と関係ない東急百貨店・東横のれん街の広告が残っていたりします。
北熊本行きは、パラパラと乗客を乗せ発車です。車両は昭和32年製なので古さは否めませんが、車内は意外と静かです。やはり当時の最先端技術を使っていたからでしょうね。沿線は木製の架線柱や鐘の音がする踏切があって、まるでこの線路の界隈だけ時間が止まっているかのようです。上熊本では新幹線の工事がたけなわだというのに…。

 
左:東急から引退し各地に散らばった青ガエルですが、いまだ現役なのはここ熊本電鉄だけです。
右:1両運転をするために、本来の運転台と反対側は平面ガエルの状態です。これって、JR西日本ののっぺら115系のはしり?

東急の電車にすら掲出されなくなった渋谷の東急百貨店の広告が、遠く離れた熊本の地でヒッソリと広告活動しています

というわけで、この続きは次のエントリで!