七曲峠を雪中行軍

さて、羽後町に到着したら、何は無くとも「ミケーネ」と「ながや」への表敬訪問は欠かせません。挨拶を済まし、冷やかけそばで昼食を取り、二万石橋からの定点撮影をして、花嫁道中のスタート地点である羽後町役場へ戻ります。


ホロ:「なんだか、わっちのおった北の国のようじゃの…?」

キャンドルライトウォーキングの登録を済ませると、すぐに出発式が始まります。今年は地元の青年と大仙市の女性とのカップルだそうで、聞けば花嫁道中が始まってから生まれた世代とか。この花嫁道中の歴史の長さを感じます。


ホロ:「これが、今回新郎新婦がお世話になる馬そりじゃな」

浪曲に見送られて新婚さんと媒酌人が馬そりに乗りこみ、14時過ぎに町役場をスタートしました。この付近の道路は道路端こそ除雪された雪が積もっていますが、路面自体にはさほどの雪がありません。なので、先発隊が道路端の雪を路面に撒きながら馬そりが進みやすいようにしています。途中、去年は見られなかった羽後交通との路線バスとの競演を見つつ、さっき写真を撮った二万石橋を渡ると、最初の歓迎スポットである西馬音内の盆踊り広場に到着です。


ホロ:「ここでは、町の人たちが総出で二人を祝福しておるのぉ」

ホロ:「ここは“黒沢家住宅”と言って歴史的建物なんじゃが、すっかり雪に覆われておる」

西馬音内で祝福のセレモニーをうけ、再び動き出します。続いては去年と同じく、弥助そばで一休みします。そこでおそばとお酒を頂いて燃料補給し、次の祝福セレモニー会場である元西地区へ向かいます。


ホロ:「これだけ雪がたくさんあると、なんだか嬉しくなってくるのぉ」

さて、ここからが七曲峠に入ります。去年も同じルートを歩きましたが、今年は雪の量が比較になりません。それも馬そりは軽やかに峠を上って行きます。峠の入口付近のお宅であいさつのため小休止し、峠の頂上へ向かて歩きだします。去年は途中の展望スポットに着く頃には真っ暗でしたが、今年はちょっと明るく、ペースは速いような感じです。


ホロ:「このあたりは沿道にろうそくが燈されておるのぉ?なんだか幻想的な風景じゃな」
 
ホロ:「もうちょっとで頂上じゃ。がんばれ!」「展望スポットから見ると、町が雪煙にかすんでおるのぉ」

スタートから約3時間半、七曲峠の頂上に到着しました。ここでは巨大キャンドルへの点火式が行われます。夫婦の共同作業としてキャンドルが燈されると、観客から拍手で祝福を受けたのでした。

峠の頂上からさらに1時間半、ゴールである長谷山邸に到着しました。到着すると同時にお祭りがクライマックスを迎え、祝福のセレモニーが行われ、花火が打ち上げられ、大いに歓迎ムードに包まれたのでした。かく言う「駅長さん」たちは、地元の方が用意してくれた豚汁で寒さに震えた体を暖めたのでした。それなりの装備をしてきたとはいえ、寒さには耐性がある方だと思っていましたが、鼻から空気を吸い込むと鼻の奥がキーンとしてしまうほどの寒さになると、さすがに体の芯から冷え切ってしまいますね。

このあと、長谷山邸では新郎新婦と媒酌人とで宴がおこなれるとのことです。雪のないときにしか着たことのない長谷山邸ですが、こうみると、まさしく「雪に閉ざされた」という表現がピッタリですね。