一畑電車でぶらり旅 前編

というわけで出雲市に到着し、一畑電車電鉄出雲市駅に向かいます。調べによれば、8:50発の電車は「RAILWAYS」の広告電車で、車体にはデハニ50とタイトルロゴがあしらわれています。電鉄出雲市駅を出ると、10分ちょっとで川跡に到着し、ここで大社線に乗り換えます。大社線の電車は南海から来た3000系で、湘南型の面構えが郷愁を誘います。
で、このまま出雲大社へ向かうと思いきや、次の高浜で降ります。ここから歩いて10分ほどのところに粟津稲生神社があり、赤い鳥居が何本も立っている先に線路があって、その先に本殿がある神社なので、夏に出す本の表紙にどうかな?と思ってみた次第です。現地に着いて、乗ってきた電車が折り返してくるのを待ち、赤と黄色のコントラストが鮮やかな写真を撮ったのでした。隣が田んぼなので、秋には黄金色との絡みも良さそうな感じです。で大急ぎで高浜駅へ戻り、さっき撮った電車の折り返しに乗ります。乗ると、アテンダントさんが乗務していました。どうやら沿線のガイドと車掌業務(切符の発売)を兼ねているようです。
程なく終点の出雲大社駅に到着です。ここではデハニ52が展示されていますが、スケジュールの都合で後回しにすることにし、まずは旧JR大社線の大社駅跡へ。国鉄時代から出雲大社への参拝に一役買っていましたが、平成2年に廃止されてしまい、今はこの大社駅が当時を偲ばせています。廃止から20年が経過していますが、建物は当時の豪華な造りのまま保存されていて、今でも現役の駅として通用しそうです。やはり出雲大社の最寄り駅ということで、当時の国鉄としてもおざなりな建物では造れなかったんでしょうね。
大社駅からは、バスに乗って日御碕へ。出雲大社を越え、海沿いに出たところでアップダウンと急カーブが連続し、約25分の道のりです。日御碕に到着し、まずは天照大神が祀られている日御碕神社の参拝です。神話の「日の本の夜を護る神」という話に思いを馳せつつ参拝し、その足で日御碕灯台を目指します。途中ウミネコの繁殖地を横目に見つつ、灯台に到着です。ちょうど小学校の遠足に当たってしまったので灯台を登ることは断念しましたが、波に洗われた断崖に建つ灯台は海の厳しさを物語っています。その折り返しの道中で地元で穫れた魚の刺身やウニの乗った海鮮丼を食べ、再びバスに乗って出雲大社に向かいます。
ここまでは何とかお天気も持ちましたが、出雲大社に着く頃にぽつりぽつりと降り出し、縁結びと雨が止むのをお願いしたにもかかわらず、お参りした後は結構な雨になってしまいました。この出雲大社、前回「かみちゅ!」の舞台訪問で来た時と異なり、いまは本殿の建て替え工事のため仮本殿にて祀られています。なので、前と違って微妙に境内が狭くなっています。ま、神様だって住まいは新しい方が良いでしょうから、ホンの数年くらい我慢して下さいなってことなのでしょう。
無事お参りも済ませ、しっかり寧々さんとかクドちゃんとの縁が結ばれたところで(爆)、出雲大社の隣にある古代歴史博物館へ移動します。ここでは「RAILWAYS」の公開に合わせ、一畑電鉄の100年史に関する特別展が開かれています。元は出雲の出雲大社安芸の宮島厳島神社を結ぶという壮大な計画ということを知り、結局は断念したものの、有力者が私利私欲を捨てれば後に歴史に名を残すということを実感しました。他にも当時の線路図や貴重な資料・図面があり、鉄道ファンの視点から見ても興味深いものでした。
最後に一畑電車出雲大社前駅に戻り、展示されているデハニ50を見て、次のポイントに移動します。