春の麗の鉄分補給

というわけで、咲夜は「大人向け呑み屋部」の会合があり、しかも終電でご帰宅という事態だったのですが、今日はつかの間のOFFということでちょいと鉄分補給しにいきます。まずは東京駅から特急「わかしお」にのって外房線は大原駅まで。ここまで来れば、察しの良い人はどういう鉄分補給かお分かりでしょう。今日はいすみ鉄道小湊鉄道の乗り継ぎです。時間の都合で途中下車は出来ませんが、久しぶりのディーゼルカーを堪能しようという魂胆です。
大原でいすみ鉄道のホームに乗り換えますが、いすみ鉄道側の駅舎は工事中でちょっと残念です。乗る列車はもう到着していていますが、先客は「駅長さん」たち*1の他に2名と、平日の昼下がりとはいえ寂しい限りです。発車時刻となり、房総横断のショートトリップの始まりです。沿線は桜の時期は過ぎましたが、菜の花を売りにしているいすみ鉄道らしく菜の花の黄色で埋め尽くされています。
車内は車体幅の広さと降車ボタンがないのを除けば、それこそバスそのものといった風情です。あと、いすみ鉄道ではムーミンをイメージキャラクターに採用しているようで、網棚にはムーミンの乗った籐籠が下がっていて、ゆりかごの如く列車の揺れに併せて揺れています。列車に乗っているとさほど感じませんが、列車は徐々に山を登っているようです。時折渡る川が結構深いところを流れているので、そう感じるのかも知れません。で、大多喜を過ぎると本格的に山に入ります。…と、ある橋を渡るときに運転士氏から「この橋から釣りをしている姿が見れますよ」とのメッセージがあり、その橋の上で一旦停止してくれました。ドコにいるのかな?と見ていると、止まっている目の前に釣り糸を下げているムーミンの姿が!なかなか粋なことをしてくれるものです。それを写真に収め、再び列車が発車し、間もなくすると終点の上総中野に到着です。
上総中野からは小湊鉄道に乗り換えます。いすみ鉄道が近代的な(…といっても昭和63年製ですが)レールバスなのに引き換え、小湊鉄道は昭和50年製の古びた感じの「ザ・ディーゼルカー」といった感じの車両です。ちょうど国鉄のキハ40系列が出る直前、まだディーゼルカーに近代化の波が押し寄せる直前の設計がなせる技なのでしょう。車内は同じロングシートですが、ちょっと排気の臭いもして中々良い感じです。
発車すると、早速車掌が改札に来ます。今時のローカル私鉄には珍しく、しっかり運転士と車掌の二人乗務になっています。しかも、車掌は手にパンチと車内補充券を持っていて、切符を買い求める乗客にはパチンパチンと軽快なパンチ音を響かせながら、切符を文字通り切っていきます。上総中野から養老渓谷の間は小湊鉄道のクライマックスといえる区間ですが、いかんせん平日は4往復しかないので乗りにくいことありません。そんな区間を駆け下りつつ、次の養老渓谷では渓谷帰りの観光客を乗せて、さらに進みます。山を下り、すっかり平地に戻ると、今度は下校の学生さんが乗ってきます。ぱっと見新入生と思しき学生さん達で混み合うと、間もなく終点の五井に到着です。
…と、久々の鉄分補給をしてきたのでした。また、菜の花と桜の季節に来てみたいですな。

*1:今回は仕事場の人たちと同行してます