昔の難所もお気軽に

福島を7時10分に発車した米沢行きは、庭坂をでると難所板谷峠に挑みます。とはいえ、過去の客車時代とは全く異なり、スムーズに上り坂を上っていきます。で、7時42分に第1の目的地である峠駅に到着です。この峠駅、列車の本数が1日6本しかなく、しかも朝2本・午後2本夜2本と訪れるにはちょっと効率が悪い駅だったりします。なので、横浜から夜行バスで福島へ行き、初電の米沢行きに乗って、1時間後に来る次の米沢行きに乗る行程を編み出したのです。こうしないと、8時に峠駅に着いて、次の13時の電車まで待つようですからね。
さて、峠駅に降りたったのは「駅長さん」一人だけでした。ま、18期間でもないので当然といえば当然ですね。

客車時代は趣のあるスイッチバックがありましたが、山形新幹線開業と同時に廃止となり、その名残であるスノーシェッドだけが遺されています。まるで大きな体育館の中にホームがあるような…とは何かの本で読みましたが、まさにその通りです。案内に従って外に出ると、旧ホームがあります。客車時代には旧型客車を何両も連ねていた名残か、ホームの部分はかなり長く取ってあります。

駅前には、かの有名な峠の力餅を売る峠の茶屋があります。「駅長さん」も旅のお供に買い求めたのは言うまでもありません。そうこうしているうちに、次の電車が来る時間となりました。その直前には福島行きの普通電車も来ますが、それらに合わせて力餅の売り子さんがホームに向かいます。電車が着くと売り子さんが売り歩くという、今では(たぶん)ここでしか見れない光景が展開されます。ただ残念なことに買い求める人は居ませんでした。やはり峠の力餅は山形新幹線のお土産になってしまったんでしょうかね?
峠駅を発車した電車は軽やかに板谷峠を下り、終点米沢に到着したのでした。続いては、芳乃さくらさくらんぼの里の保存車両を見に行きます。