209系の功と罪

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060905-00000238-reu-bus_all
「ようやく」なのか「いよいよ」なのか、京浜東北線を走る209系がE233系に置き換えられるそうで。JR東日本のプレスリリースはこちらから(PDFファイルにご注意)。
登場した時から「使い捨て」だの「走ルンです」などと揶揄されながら、それでいて国鉄形通勤電車の型を破る斬新な電車でした。同時期に登場したJR西日本207系と比べられることも多く、向こうがひと手間かけた内装なのに対し、コッチは実用一点張りな内装なのにも注目が集まっていたりしました。
とはいえ、数年立つと初期の車の側面が波打つという、鉄道車両としてどうなの?という状態が出始め、ここ1・2年では電車が立ち往生してしまうような故障が多発してしまう始末…。去年の車両故障の時に触れましたが(「いやはやビックリ… - いとしげの「あ・げ・れ・ば」な独り言」を参照のこと)、13年非解体を目指して開発したということから、オーバーホールと置き換えを天秤にかけて、置き換えのほうが安く上がると判断したんでしょうね?
ま、そんな悪評が目立つ209系ですが、数少ない良い点を上げるとすれば、座席とドアの仕切りが壁になっていることでしょうか。それまでの電車だとバーで仕切ってあるだけなので、ドア付近に立った場合バーに寄りかかることも出来ず、座っている人にとってもバーに肘を乗せると立っている人の尻に肘が当たるという、なんとも不都合のあるものでした。それが209系になって仕切りが壁になり、立っている人は気兼ねなく寄りかかることができ、座っている人も壁に寄り添って爆睡ができるという、双方にとって都合のよい物ができました。しかも、それが他の私鉄にも波及し、新車をはじめ、更新された車にもこういう仕切りが付いていることが多くなりました。この点は209系が遺した数少ない良き遺産となりそうです。