今日は乗り鉄

さて、今回のお出かけは、「駅長さん」の二度目になる海外旅行として、三泊四日で台湾に来ました。後輩ちゃんからのお誘いを受けての台湾行きですが、夏の暑い時期にしかも週末を挟んだ行程になったのには訳があります。この週末、台北では「fancy frontier」という日本でいうコミケのようなイベントが開催されます。早い話、それに参戦しようって言うのが本題なのですが、台湾の鉄道事情もなかなか面白いということで、「駅長さん」的には一挙両得なお出かけになったのでした。
で、朝7時10分発のエアチャイナ機に乗るために、某駅の始発電車に乗って京急線経由で羽田空港に着いたのでした。飛行機は定刻に飛び出し、機内食を食べているうちに約2時間半ちょっとで台北松山空港に着陸しました。そこからMRT→地下鉄と乗り継いで、台鐵の台北駅に到着です。今日は台鐵の乗り鉄を画策していますが、何分「駅長さん」は台湾が初めてなので、先達の後輩ちゃんにお任せの行程です。
一応、主目的を宣蘭→花蓮の復興号と花蓮台北の自強号(DLプッシュプル)にし、復興号の席を押さえられたので、台北→宣蘭の移動は直近の自強号(太魯閣号)にしました。太魯閣号は台鐵ご自慢の速達列車で、主に台北と東側の花蓮を結んでいます。見た目はJR九州883系と同じですが、それもそのはず、日本の日立製だったりします。

 
ホロ:「さすが台鐡御自慢の列車だけあって、快適そのものじゃの」
駅長さん:「そう、だから、いつも結構混んでいるみたいだよ」

ホロ:「宣欄の駅前じゃな」
駅長さん:「台鐡の駅は、日本統治時代に建てられたものが多いそうだ。この宣欄の駅前にも、時の官舎や庁舎もモニュメントが残っているんだ」

列車は時刻通りに台北を発車し、一路花蓮に向かいます。市街の松山駅に止まると、次は宣蘭まで約1時間近くノンストップです。市街地をトンネルで抜け、七堵で車両基地を横目にすると、市街地から離れて一気にローカルな雰囲気になります。いつしか太平洋側に出て、海っぺりをかっ飛ばしていきます。東部幹線はカーブが多いのですが、太魯閣号は振り子機構が付いているので、カーブをものともせずに飛ばしていきます。
太魯閣号は時刻通りに宣蘭に到着し、再び花蓮に向かっていきます。「駅長さん」たちは一旦駅を出て、駅前をブラリ。宣蘭駅前には旧日本統治時代の鉄道施設が少し残っていて、市の歴史遺産になっています。そうこうしているうちに、「駅長さん」たちが乗る復興号がやってきました。復興号は客車列車なので、機回しの準備が必要です。その隙に駅にあるセブンイレブンで駅弁を買い、復興号に乗り込みます。復興号は12両編成と長いのですが、客席は思いの外ガラガラです。ですが、羅東・蘇湊で大量乗車があり、俄然賑やかになりました。この先の区間も太平洋に沿って進みますが、その度に歓声をあげながら写真を撮っています。それも新城までで、太魯閣に向かうと思しき人が降り、ちょっと静かになりました。しばらくすると花蓮の街中に入り、終点の花蓮に到着です。

 
ホロ:「今度はまた古めかしい列車じゃの?」
駅長さん:「そう、今度は台鐡の中でも残り僅かになった復興号という列車に乗るんだ。日本で言う快速列車みたいなものかな」
ホロ:「とはいえ、車内は快適そうじゃぞ」
 
ホロ:「列車の旅といえば駅弁じゃの」
駅長さん:「うん、台鐡の主要駅では駅弁を売っているんだ。ま、セブンイレブンが絡んでいるから、コンビニ弁当といえばそうなるけど、一応パッケージはそれっぽく作られている」
ホロ:「う〜ん、シンプルながらおいしいぞ。酒のつまみには最適じゃな」
駅長さん:「…、台湾の人は酒を飲みながらご飯を食べる習慣が無いそうだ。だから、こういう風にしているのはたいてい日本人なんだって」

ホロ:「このあたりは海沿いを走るんじゃな?」
駅長さん:「そう、このあたりは太平洋だね」

で、台北に戻るのですが、夏休みは世界共通なのか、平日の夕方前なのに意外と混み合っています。なので、お目当ての自強号はモチロン、そのあとの自強号も満員御礼だったので、莒光号で台北に向かうコトに。太魯閣号なら2時間半で着くところを、この莒光号は4時間かけて行きます。太魯閣号を特急列車とすれば、復興号は急行列車、莒光号は快速列車といったトコロでしょうか?ただ、莒光号は快速といえどもリクライニングシートを備えた客車で、しかも車内販売まであったりします。自強号が満員なコトもあるのか莒光号も満員御礼状態で、福隆でついに立ち客が出るほどに。夕方のラッシュ帯なコトもあり、先行列車に行く手を阻まれつつ、若干遅れて台北駅に到着し、一日目の乗り鉄パートを終えたのでした。


台北駅構内にあった、謎のモニュメント。撮りのかぶり物をかぶった女の子ですが、なぜか右手に鉛筆を持っています。