万感の想いを込めて、東京到着

富士・はやぶさ」は東海道線を淡々と上っていきます。車内販売は「駅長さん」の予想より早く、静岡の手前でやって来ました。販売開始から約1時間で来たので、行きの「富士」場面よりも乗っている乗客数が少なかったのかしら?もちろんモーニングコーヒーを買い求め、駿河灘と富士山に備えます。
静岡を発車すると、それまでの快走がウソのようにゆっくり走ります。興津を通過すると、まず国道1号をくぐり車窓に駿河灘が広がります。海側は晴れているので、朝日とそれに輝く駿河灘を見ることが出来ました。続いては富士山ですが、こちらは富士川駅を通過し、富士川橋りょうからビューポイントになりますが、山側はモヤっていて姿を確認できませんでした。富士駅を発車し、真っ正面に見える(と思われる)位置でもうっすらとしか見えませんでしたorz。


田子の浦付近にて。晴れていれば富士山がドーンと見えるはずですが、今日は曇っていたのでかすかに稜線が見える程度でした

沼津まで来ると隣りのホームに東京行きのE231系が止まっていて、少しずつ非日常の時間が終わろうとし始めます。JR分け目の熱海でマークがオレンジから緑に変われば、そこはよく通るいつもの東海道線です。曇り空とはいえ、この時間になると、ココはというポイントにはカメラを構えた写真屋さんが多くいます。まだまだ朝ラッシュの余韻が残っている時間なので、横浜駅に到着すると通勤客からの注目を浴びます。そんな優越感に浸りつつ、いよいよラストスパートの区間に入りました。
車両は20系から24系25型、14系15型と代わり、満席の時も空気を運んでいたときも変わらず淡々と走り続けた「富士」と「はやぶさ」。時には出会いを、またある時には別れの感傷を運び、夢を掴もうとする気持ちや千載一遇のビジネスチャンスを胸に、新たな地への旅立ちをサポートしてきました。時には政争の具にもされた「富士」と「はやぶさ」、3月13日の運転終了に向けて、携わった多くの人の想いを乗せて、間もなく東京に到着します!
…と、ものすご〜く恥ずかしいセリフで今回のお出かけを締めくくります。

 
左:下関からの長丁場を終えたEF66の51号機は、機回しをして田町の車庫へ束の間の休息を取りに行きます
右:東京駅10番線ホームの番線表示には「熊本・大分方面」の表記がありますが、これも3月13日で終わってしまいます。「富士」や「はやぶさ」が西鹿児島から撤退したのを皮切りに始まったブルートレインの淘汰は、皮肉にも一つの列車として運行されることになった「富士・はやぶさ」の廃止をもって一応の終結を見ることになりました